幻の蕎麦を求めて開田高原
御岳の麓、開田高原に採算や打算を捨て、ただ、ただ美味しい
蕎麦を求めて何も足さず何も引かない蕎麦屋があるという。
高山から美女トンネルを抜け、野麦峠を左に見ながら南下すると
開田高原となります。先ずは御岳にご挨拶ですね。
この時期、御岳に向かう道は車も少なく快適に走ることが出来ま
す。今気が付いたけど写真を気にする人は電柱を入れないのだ
ろうな。以後気をつけます。
右手には乗鞍岳です。こちらも良いが気品では御岳が上だな。
開田高原を少し過ぎたところ。木曽福島側に店はあります。
時香忘
周りは緑に囲われているのですが、建物の色合いは渋くて違和
感はありません。
このように長い通路を歩いていくのですが、進むにつれ期待が
高まっていくのです。
時香忘の看板が出てきました。ここから入店します。
まるで蕎麦屋とは思えない店内。センスの良さをいたるところで
感じることが出来ます。テーブルの他カウンター席もあります。
昼の品書きを渡されました。
別の品書きもあったので、手の込んだものも注文出来そうです。
もり蕎麦、おろし蕎麦それに蕎麦がきを注文しました。左の木製
スプーンにあるのは、特殊な蕎麦がき用塩です。
こちらのはお湯に浮かべないタイプですね。もちもちした食感が
楽しめます。お酒が合うのだけどな。
これは大盛りですが相当な量があります。普通盛でも充分満足
出来るでしょう。
おろし蕎麦もこうなると美を感じます。
いずれも繊細、淡麗、さわやか、喉越し良し。酒の宣伝みたいで
すがそんな感じ。
ねっとりとした濃厚なそば湯。これだけ飲み応えのあるのは初め
てです。
店の造りといい、色合いといい品の良さを感じます。蕎麦を運ぶ
のはすらりとした奥様ですが、服のセンスが端正でまた良い。
話し方は過不足もなく実に穏やかです。
福井から来たと答えると、遠いところからご苦労様と水のペット
ボトルくれました。大方の蕎麦屋をはるかに凌駕するお店です。